今回は、犬の脳炎の症例をご紹介します。
9歳のチワワちゃんですが、ある時から顔を左に傾けてしまうとのことで来院されました。
CT含めた全身検査を実施しましたが症状につながる異常は認められませんでした。
上記は、CTで頭部を撮影した画像になりますが、明らかな異常は確認できませんでした。
ご相談の上、無治療で経過観察をしていただきました。
その後数日は落ち着いていましたが、以前よりも強い症状が現れたため、再来院されました。
診察時は、顔を左に傾けるだけで治まらず、転がって起立困難な状態でした。
頭蓋内疾患を疑い、MRI検査を実施いたしました。
上記は同部位のMRI画像です。
赤で囲った箇所に病変を認めました。
脳炎という診断のもと、内科治療を実施して、現在は非常に良好な経過をたどっております。
CT検査は、確かに有用な検査ツールですが、今回の症例のようにすべての異常が発見できるものではないということを改めて実感しました。
獣医師 永松