香椎ペットクリニックBLOG

2022.05.28更新

症例は高齢のワンちゃんですが、過去に誤食歴は目立ってありませんでした。来院日の朝から頻回の嘔吐が見られていましたが、散歩に行ったり、食欲もいつもよりは落ちているが食べていました。
夕食を与えて、完食したが、1割ほど嘔吐して震えが見られたので来院されました。
問診の中で、昨夜、リビングに敷いている敷物の中身(綿)を齧っていて、どのくらいかわからないが食べているとのことでした。
レントゲンを撮ってみると・・・

高木異物綿1

胃の部分にモヤモヤっとしたもの充満しており、また石のような固形物も消化管内に見られています。胃の内容物は時間とともに一部分は腸管に移動していましたが、ほとんどの部分は胃から動く気配が見られませんでした。
「内容物が綿だし、時間とともに胃から流れていくでしょう」と考えられる方もいるかもしれませんが、そのように都合よく事は運びません。
結局、改善が得られないので外科手術となりました。摘出したものはこちらです

高木異物綿2

このように綿は胃の蠕動運動などによって押し固められた状態になっていました。これだとどれだけ待っても胃から流れることはないですよね。

動物たちは、時に予想外のことを行います。まさかと思うものを口に咥え、取ろうとすると急いで飲み込んだりします。誤食癖のある子はなおさら注意が必要です。
みなさんもお気をつけください。

獣医師 高木

投稿者: 香椎ペットクリニック

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