香椎ペットクリニックBLOG

2022.02.06更新


前回、唾液腺嚢腫という疾患をご紹介しましたが、今回は唾液腺の腫瘍を紹介いたします。

今回紹介する症例は、食欲低下、えづきのようなのどの違和感を主訴に来院されました。

血液検査では特に症状につながるような異常は認めませんでしたが、触診にて喉のあたりに固めのしこりが認められました。

しこりに針を刺して細胞を採取して顕微鏡で観察したところ、
正常と思われる唾液腺細胞以外に、

永松唾液2
このような唾液腺癌を疑う細胞が多数採取されました。

唾液腺癌の治療の第1選択は外科手術であるため、手術可能な状況かを確認する目的でCT検査を実施いたしました。

永松唾液3

上記は頸部を輪切りにした画像ですが、気管(水色)を圧迫するように占拠性病変(赤色)が認められました。かなり腫瘍が浸潤しています。

また、

永松唾液4

永松唾液5

胸部や脾臓という臓器に腫瘍の転移を疑うような所見も認められました。

このような状況では手術はかなり難しく、転移も疑われるため、手術適応ではないと判断いたしました。

この子は、今はご飯は食べられているので、その状況が一日でも長く続くことを願っています。

 

獣医師;永松

投稿者: 香椎ペットクリニック

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